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ガザの人々を殺すな!実行委員会 公式ブログ (Committee for Stop Killing in GAZA)

twitter ID: @freegaza_jp <イスラエルは占領と封鎖をやめろ!><安倍政権はイスラエルを支援するな!>

【見解】「イスラーム国」による人質・殺害と安倍政権の対応に関する私たちの立場

イスラーム国」を名乗る武装集団(以下IS)は、昨年8月から10月頃、湯川遥菜氏、後藤健二氏を人質に取り、身代金などを要求した。ISは、要求が容れられなかったとして、今年、湯川氏と後藤氏を殺害したと発表、殺害場面をネットで公開した。政府は、両氏の救出に失敗した。また、捕虜にしたヨルダン空軍パイロットの殺害を示すという動画を公開した。正確な詳しい情報は得られていないが、日本の民間人2人とヨルダンの軍人1人が、残忍な方法で殺害されたことは間違いないと思われる。この悲劇的な事件に当たって、私たちは次のように考える。

1) 「日本人」というだけの理由で民間人を人質にとり、プロパガンダのために殺害したISのこのような行為は、いかなる理由があったとしても許されるものではない。ヨルダン軍捕虜虐殺についても同様である。

 

2) 一方、日本政府、とくに安倍首相がとった、湯川氏と後藤氏の救出に関する対応を始め、この間の中東政策、さらにその後の国内における様々な対応が適切なものであったかどうか、非常に疑問である。

 

3) 安倍首相は、両氏が人質となり身代金を要求されていることを十分承知のうえで、今年1月にエジプト、イスラエル、ヨルダン、パレスチナ(自治政府)を訪問した。エジプトとヨルダンの公式の場で、「ISILと闘う」これらの国に対する「支援」を公言した。真剣な人質解放交渉が行われていたとすれば、この種の発言がIS側を刺激し、交渉進展にとって大きな障害になることは、常識的に分かるはずである。

 

4) また、安倍首相は、イスラエルでは、昨年5月の軍事協力を含む両国間の「パートナーシップ」が「着実に進んでいることを高く評価する」と公言した。昨年の7月から8月にかけて、イスラエル軍によるガザ攻撃で約2,200人が殺され、多数が負傷、ホームレスとなった後の発言である。

 

5) このガザ攻撃当たっては、国連人権理事会が国際人道法・人権法に対する違反行為を調査する委員会設置を決議した際、日本政府は棄権した。日本政府は、その後も国連調査委員会のガザ立入り調査に対するイスラエル非協力を容認しているまた、パレスチナ国際刑事裁判所加盟に関して、日本政府は米国やEU加盟国などによる、パレスチナへの圧力黙認続けている。

 

6) 日本政府のこうした対応や発言が、中東地域の人々をどれほど憤激させているか、安倍首相に理解できないはずはなかった。

 

7) 今回の事件には政治的背景がある。とくに21世紀になって、日本政府は、「中東には、植民地支配という負の遺産がない」「憲法9条をいただく平和国家」という外交上の資産ともいうべきものを自らの手で壊してきた。アメリカなどによる、2003年のアフガニスタン攻撃、2004年のイラク攻撃と占領、こうした理不尽で破壊的な軍事力の行使により、殺傷され、生活を破壊され、難民になった人々は、その正確な数さえわかっていない。このような戦争を「後方支援」「国際貢献」の名で支えてきたのが、日本政府である。「テロとの戦い」の名を借りた一連の戦争によって家族や親しい人々を殺され、家を焼かれ、故郷を追われた人々。このような暴力こそが、あらたな「テロリスト」を産み出し、彼らは、日本をも「敵」と見なすようになったのではないのか。

 

8) にもかかわらず、安倍政権は、このような戦争加担をさらに進めようとして、「武器輸出三原則」の廃止、集団的自衛権の合法化を閣議決定した。さらには「憲法改正」によって「戦争出来る国」「戦争する国」を目指しているように見える。加えて、杉本祐一氏のパスポート返納強要など、メディアやジャーナリストに対する報道や取材の自由を束縛する、「表現の自由」や「人権」を無視した目に余る暴挙も行われている。

 

9) ISによる今回の非道な行為は、断じて許されるものではない。しかし、だからといって、今回の安倍政権の対応、ここに至る日本政府の政策に対する批判を躊躇すべきではない。安倍政権が、今回の不幸な事件を踏み台にして、「テロとの戦い」の名のもとに、より積極的な欧米の中東に対する軍事介入への加担を進めようとするなら、私たちは、あくまで抗議・抵抗を続けるべきだと考える。

 

2015年2月14日

ガザの人々を殺すな!実行委員会有志